接触感染予防に最適な手袋の選び方|衛生管理を徹底するポイントを解説

接触感染予防に最適な手袋の選び方|衛生管理を徹底するポイントを解説

接触感染を防ぐために手袋を使いたいけれど、「どの手袋を選べばいいのかわからない」「交換タイミングや正しい使い方が分からなくて不安」という悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?

結論から言うと、手袋の選び方や使用方法、交換のタイミングを正しく理解することで、感染リスクを大幅に減らすことができます。

本記事では、接触感染予防に最適な手袋の種類や素材、交換のタイミング、そして正しい外し方や手指衛生の方法について詳しく解説します。

接触感染予防で手袋を使う理由

接触感染予防としての手袋の使用は、医療現場だけでなく、介護や日常生活においても重要な役割を果たします。医療では、血液や体液、分泌物、排泄物、粘膜、傷のある皮膚に触れる際、手を汚染から守り、微生物の伝播を防ぎます。

介護では、排泄物の処理や傷の手当てに使用することで、利用者と介護者の双方を感染リスクから保護します。また、日常生活では、掃除や汚染物の処理時に細菌やウイルスとの接触を防ぎ、個人および周囲の衛生を保つ効果があります。

特に使い捨て手袋を単回使用し、適切なタイミングで交換を行うことが基本となります。この基本を守ることで、本来の感染予防を遂行することができます。

接触感染予防に最適な手袋の選び方

接触感染を予防するためには、手袋の種類や素材を正しく選ぶことが大切です。ここでは、接触感染予防に最適な手袋の選び方をわかりやすく解説します。

手袋の種類

手袋は、用途に応じて適切な種類を選ぶことで、接触感染を予防する効果を最大限に引き出せます。手袋の種類は主に以下の3つに分類されます。

  1. 手術用手袋(滅菌)
  2. 検査・検診用手袋(滅菌/未滅菌)
  3. 多用途手袋(未滅菌)

まず、手術用手袋(滅菌)は、手術や高度な無菌操作が求められる医療現場で使用されます。滅菌処理が施されており、感染リスクを最小限に抑えるのが特徴です。

検査・検診用手袋は、検査や治療、汚染された器材の取り扱いに適しています。感染リスクが高い場合には滅菌タイプを、非感染性の作業には未滅菌タイプを選びましょう。

多用途手袋(未滅菌)は、汚染物の処理や器具の洗浄、廃棄物処理など、粘膜や傷口に触れない作業に適した手袋で、日常作業でも広く使用されています。

手袋の素材

使い捨て手袋には、ニトリル手袋、ラテックス手袋といった素材があり、それぞれ特徴が異なります。

ニトリル手袋

ニトリル手袋は、強度に優れ、引っ張りや突き刺しへの耐性が高い上に、伸縮性もあり、細かな作業に適しています。薬剤や油脂への耐性があるのも特徴です。また、ラテックスアレルギーの心配がないため、アレルギーのある方でも安心して使用できます。

ラテックス手袋

ラテックス手袋は、伸縮性と柔軟性が高く、温度変化の影響を受けにくいという特性があります。さらに、グリップ力に優れ、滑りにくく、安全性が必要な作業にも適しており、滑らかな加工が施されたタイプも選択可能です。

ラテックスアレルギーの有無

ラテックスアレルギーの方は、ラテックス以外の素材で作られた手袋を選びましょう。

ラテックスアレルギーとは、天然ゴム製品に含まれるラテックスタンパク質に対して、免疫系が過剰反応することによって起こるアレルギーです。ラテックスアレルギーの症状は、皮膚のかゆみや発疹、湿疹などの接触性皮膚炎が一般的です。また、目のかゆみや鼻水、くしゃみ、喉の腫れ、呼吸困難といった呼吸器症状が現れることもあります。

重症の場合はアナフィラキシーショックを引き起こし、血圧の急激な低下や意識障害、全身の蕁麻疹、さらには生命の危機に陥ることがあります。必ず専門医に相談をしてください。

ラテックス以外のアレルギー(加硫促進剤)

手袋の製造過程で原料を安定させるために使用する「加硫促進剤」が、まれにアレルギーを引き起こすことがあります。加硫促進剤フリーのニトリル手袋を選ぶときには、「加硫促進剤不使用」と書かれたものを選びましょう。ハッピーハンズでは、加硫促進剤不使用の手袋もご用意しております。

手袋のサイズ

接触感染予防として手袋を使う際は、自分の手に合うサイズの手袋を選ぶことが重要です。手袋が大きすぎる場合、手にフィットしていないため、細菌やウイルスが隙間から侵入する可能性が高まります。また、手袋が外れやすくなることで意図しない接触が発生し、感染リスクが増加します。

一方で、手袋が小さすぎる場合は、着脱がしづらくなるため、無理に引き伸ばすことで破れやすくなり、保護機能が損なわれてしまいます。また、汚染物に接触するリスクが増します。

正しいサイズを選ぶ際は、親指を除いた手の周囲を柔らかいメジャーで測定し、自分の手に合ったサイズを確認しましょう。サイズが分かったとしても実際に装着した感触などで使いやすさが異なるため、購入前にサンプルをお取り寄せしましょう。ハッピーハンズではすべてのグローブのサンプルを用意いたしております。お気軽にお問合せください。

手袋を交換するタイミング

接触感染を予防するためには、手袋の適切な交換タイミングを守ることが重要です。手袋が破れたり穴が開いた場合、液体や微生物が浸透するリスクが高まるため、速やかに交換することはもちろん、患者様が変わるたび、作業工程が変わるたびの交換が良いとされています。

また、表面や内側に汚れが付着している場合は、細菌やカビの発生源となる可能性があるため、早めの交換が必要です。鼻や髪に触れたときや、長時間使用でフィット感が失われた場合も交換をおすすめします。

食品を扱う際には、トイレ使用後や汚染源となる食品に触れた後、さらに調理済み食品や生の食材を扱う前に、手袋を新しいものに交換しましょう。医療や介護の現場では、感染予防のため、以下のタイミングで手袋を交換することが求められます。

  • 排泄物や体液に触れる処置を行った後
  • 汚染された部位から清潔な部位へ作業を移行する前
  • 褥瘡(じょくそう)処置や口腔ケアなど、清潔ケアを行う前
  • 患者や利用者ごとに作業を切り替える際

これらのタイミングで手袋を交換することで、交差感染や二次感染のリスクを大幅に軽減できます。

接触感染を予防するための手袋の外し方

手袋を外す際は、外側が汚染されていると想定し、素手で直接触れないように以下の手順で行いましょう。

  1. 手袋をした手で、反対側の手袋の手首部分をつまみます
  2. 手袋の外側に触れないように注意しながら、裏返すように外します
  3. 外した手袋は、そのまま捨てずに、手袋をした方の手で持ちます
  4. 素手になった手で、手袋の袖口の内側に指を入れます
  5. 汚染された外側に触れないよう、裏返すように外します
  6. 外した手袋をまとめ、汚染された側が内側になる状態で廃棄します

手袋を外したら、必ず手を洗いましょう。手洗いの方法について次で解説します。

手袋を外した後の手指衛生の正しいやり方

手袋を外した後は、以下の手順で手を洗ってください。

  1. 流水で手全体をぬらし、汚れを流します
  2. 薬用石けんや消毒液を手のひらに適量取り泡立てます
  3. 両手のひらをこすり合わせて洗浄します
  4. 片方の手のひらで反対側の手の甲を包み、こすり洗いをします。両手とも同じように洗います
  5. 両手の指を交差させ、指の間をしっかり洗います
  6. 指先と爪の周辺を念入りに洗います
  7. 反対側の手で親指を握り、ねじるようにして親指を洗います
  8. 手首までしっかりこすり洗いをします
  9. 石けんの泡を流水で十分に洗い流します
  10. ペーパータオルや清潔なタオルで水分をしっかり拭き取ります

以上の手順を丁寧に行うことで、病原体を効果的に除去し、感染予防を徹底することができます。

手袋を適切に使って接触感染を予防しよう

本記事では、接触感染予防における手袋の選び方や使用方法について解説しました。手袋は血液や体液、汚染物から手を守り、感染拡大を防ぐ重要なアイテムです。

ニトリル手袋、ラテックス手袋など、素材ごとの特徴を理解し、用途に応じて最適なものを選びましょう。ただし、破損や汚染時の速やかな交換、正しい外し方、手指衛生の徹底が必要です。本記事を参考に適切な手袋を選び、感染予防を実践してください。

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【グローブの商品一覧】をご確認いただく方へ

グローブ商品一覧の上部にて「ラテックス」「ニトリル」など商品を絞って調べられるリンクがありますので、ぜひご活用ください。

また、サイト内ではグローブの1ページ目の写真にて素材の記載があります。写真左上に四角いアイコンで「ラテックス(紫のアイコン)」「ニトリル(グリーンのアイコン)」と表記しておりますのでご参考になさってください。