使い捨て手袋の効果的な使い方を解説!衛生的な使い方のポイントと注意点も

使い捨て手袋の効果的な使い方を解説!衛生的な使い方のポイントと注意点も

使い捨て手袋は作業する人の安全を守り、衛生的に製品やサービスを提供するために欠かせないもので、さまざまな業界で使用されています。しかし、使い捨て手袋を装着していても、正しく使えていなければ効果が得られないばかりか汚染や感染を広げてしまう可能性もあるため、適切な使い方を知っておくべきでしょう。

本記事では、使い捨て手袋の衛生的で効果的な使い方を詳しく解説します。使い捨て手袋を日常的に使っている方も、もう一度正しい使い方を確認して安全に作業が行えるようにしましょう。

使い捨て手袋を使う目的

使い捨て手袋を使う目的は、業界や作業内容によって異なりますが、主に以下の2点があげられます。

  • 自分の手の汚染を周りに広げない
  • 相手や製品(または食品、機材など)からの汚染を手につけない

使い捨て手袋を装着することで、自分の手に付いている細菌や微生物などが他の物や人に付着するのを防ぎます。また、同様に接する相手や食材、機材などからの細菌や微生物の侵入を防ぐのが主な目的です。

手袋を装着するタイミングは作業に入る前ですが、衛生的に使うためにも作業の途中で何度か使い捨て手袋を交換することも少なくありません。

使い捨て手袋の種類と適した用途

使い捨て手袋にはさまざまな種類があります。それぞれ、特徴が異なるため、使うシーンや作業内容に合わせて適切なものを選びましょう。

【ゴム手袋】


ラテックス手袋

ニトリル手袋

原料

天然ゴム

合成ゴム、または人工ゴム

特徴

・耐久性、伸縮性に優れている

・低温下でも素材が安定している

・薬剤や油脂の耐性が高い

・突き刺しへの耐性がある

適した用途

医療、衛生作業、尖った物を扱う作業水仕事、洗車、DIY、ガーデニング、清掃、ゴミ処理

医療、歯科治療、油や機械を扱う作業、石油を扱う作業、ペンキ・スプレー塗装、化学実験、食品加工および盛り付け、一般作業、清掃

【プラスチック製手袋】


ポリ塩化ビニル手袋

プラスチック手袋


ポリエチレン手袋

EVA(エチレン-酢酸共重合樹脂)手袋

TPE手袋


原料

プラスチックやビニール

ポリエチレン

エチレン、 酢酸ビニル

ポリエチレン

特徴

・劣化しにくい

・油や薬品、洗剤に対して強い

・油や薬品、洗剤などに強い

・着脱しやすい

・手指へのフィット感が高い

・温度の高低差や紫外線、水分などに強い

・伸縮性が高い

適した用途

介護作業全般、衛生管理、油作業、機械を扱う作業、石油を扱う作業、ガーデニング、清掃、ペンキ・スプレー塗装、美容関係

調理、食品加工、食品盛り付け、軽作業、検査、組立、清掃

また、最近ではポリ塩化ビニル(PVC)にニトリル手袋の成分を配合して作られたハイブリッド手袋もあります。ハイブリッドは、ポリ塩化ビニル(PVC)手袋とニトリル手袋の両方の良いところを持っており、伸縮性やフィット感、耐油性に優れている手袋もあります。

それぞれの使い捨て手袋の特徴が異なるため、使用目的や作業内容によって適切なものを選ぶとよいでしょう。

使い捨て手袋の効果的な使い方

使い捨て手袋を効果的に使うためには、正しい使い方や交換するタイミングを知っておく必要があります。使い捨て手袋を付けることによって手指からの汚染を防ぐため、使い捨て手袋を清潔な状態で保管し、着脱しなければいけません。

業務上、日常的に使い捨て手袋を使う場合、衛生的ではない場所に手袋を保管したり、つい着脱を無意識に行ったり、急いで使い捨て手袋を着脱する際に手順を省いてしまったりしがちです。使い捨て手袋をなぜ使うのか、目的を改めて考えて、取り扱いには十分に注意を払いましょう。

使い捨て手袋を使うタイミング

使い捨て手袋を使うタイミングは、作業をする前、手指の消毒を行ってからです。「使い捨て手袋を付けるから、手洗いや消毒は必要ないのでは」と考える方もいるかもしれませんが、手に細菌があった場合は作業をしている間に手袋の中で菌が増殖します。

さらに、使い捨て手袋にピンホールがあった場合や、作業中に手袋に破損・穴あきがあった場合は、汚染が周りに広がってしまいます。必ず、手指の消毒を先に済ませましょう。

また、手が荒れていたり手や指に傷があったりする場合も、使い捨て手袋を着用します。

使い捨て手袋を交換するタイミング

使い捨て手袋を交換するタイミングは、次のような場合です。

  • 異なる作業を行うとき
  • 違う患者や介護者に接するとき
  • 汚染区域から非汚染区域に移動するとき
  • 穴あきや破損が見られたとき
  • トイレに行ったあと

使い捨て手袋とは、1回ごとに使ったら捨てられるものです。「使い捨て」つまり、単回の使用を遵守することで、手袋による感染予防ができます。

作業ごと、または患者や接する人が変わるときは、必ず使い捨て手袋も新しいものにしましょう。汚染区域から非汚染区域へ移動する場合も同様です。また、使い捨て手袋に破損が見られた場合も、直ちに新しいものと交換しましょう。

コストを抑える、手間を減らすなどの観点から、使い捨て手袋を複数回使用したり、洗って何度も利用したりすると、感染予防の目的が果たせません。また、終日同じ手袋で過ごすことも同様、感染予防の目的が果たせません。

使い捨て手袋の保管場所と保管方法

使い捨て手袋の保管場所や、保管方法についても見ていきましょう。感染や汚染を予防するために使う手袋なので、衛生的に保管する必要があります。また、使い捨て手袋が劣化しないよう早めに使い切ることも大切です。

保管場所

使い捨て手袋自体が、汚染や感染を防ぐためのものなので、保管場所も清潔な場所である必要があります。

たとえば、手洗い場の近くに使い捨て手袋を保管しておくと、手袋使用後の手洗いなどの汚染された水や石けんかすなどが、使い捨て手袋の箱の中に入ってしまう可能性があります。

また、床に近い場所に保管するのも避けましょう。人が通るときにほこりやゴミなどが入ってしまい、使い捨て手袋が汚染されてしまいます。

使い捨て手袋を保管する際は、作業台の上や薬品を収納する棚など、床や水跳ねの影響を受けない場所に保管しましょう。

作業台に置いても周りの壁が汚れていたり、ものが多くほこりや雑菌が入りやすい環境だったりした場合は、使い捨て手袋を清潔に保てません。汚染のリスクが高まるため、事前に手袋の保管場所が清潔であるかどうかを確認して置き場所を決めましょう。

開封した手袋の箱はそのまま置くのではなく、蓋付きのケースなどに入れておくとより安全です。容器は洗浄や消毒ができるもの、また直射日光のあたらない所に保管する事をお勧めいたします。

使い捨て手袋を効果的に使うための注意点

使い捨て手袋の本来の効果を最大限活用するためにも、以下の点に注意しましょう。

使い回しはしない

使い捨て手袋の使い回しや再利用は厳禁です。必ず1回ごとに新しいものと取り替えましょう。1度でも使用した手袋は、汚染していると考えてください。

自分の手や肌に手袋の外側が付かないよう手袋を外して、そのまま捨てましょう。「しっかり消毒すれば、使い捨て手袋でも何度か使えるのではないか」と思う方もいるかもしれません。

しかし、手袋の種類によってはアルコールへの耐性が低いものもあり、何度か手袋を装着したまま手指の衛生を行うと強度が弱まるものもあります。

破損や穴あきのリスクが高まるため、使い捨て手袋を使いまわすことはやめましょう。

長時間の使用は避ける

使い捨て手袋の複数回の使用を避けるのと同様に、長時間の使用も避けましょう。たとえば、一人の患者さんや介護者などに対して使い捨て手袋を1度しか使わないとしても、長時間手袋を着用していると手に黄色ブドウ球菌などの細菌汚染があった場合は、手袋の中で増殖します。

もしも使い捨て手袋にピンホールやシール不良などがあれば、外へ汚染を広げてしまう可能性があります。手袋の表面にも菌が付着すれば、増殖のリスクがあるのです。長時間、1つの作業をする際は、こまめに使い捨て手袋を交換しましょう。

使い捨て手袋を目視で穴あきや破損がないか確認する

異物混入や汚染拡大防止のために、使い捨て手袋を装着して作業している間は定期的に目視で破損がないかを確認しましょう。手袋の装着前に穴あきや破損の有無をチェックしていても、作業の途中で破れる可能性はあります。

特に、先端の尖った鋭い器具を扱う場合や油や薬品に触れるとき、重たいものを何度も持ち運びするなど大きい負荷がかかるときは、作業中に手袋に破損がないか何度か確かめてください。

ポケットに入れて持ち歩かない

使い捨て手袋は、外したら必ず捨てましょう。作業着や白衣、エプロンなどのポケットに使い捨て手袋を保管すると、使用前・使用中・使用後のどの状態でも手袋とポケットの両方が汚染されてしまいます。

使い捨て手袋は手指の消毒を行った後の清潔な状態で、保管場所から取り出して装着し、使用した後は一時的に保管せずに速やかに廃棄してください。

開封後は早めに使い切る

使い捨て手袋の箱を開けた後は、早めに使い切りましょう。数か月〜1年と放置していると、手袋が劣化する可能性が高くなります。

また、箱の空いている口からゴミやバクテリアが入ったり日光が当たって劣化が進んだりすることも考えられます。清潔な場所に保管し、早めに使うようにしてください。

使い捨て手袋の効果を最大限活用するための選び方

使い捨て手袋を効果的に使うためにも、適したものを選ぶようにしましょう。選び方のポイントを紹介します。

適した素材と機能で選ぶ

使用目的に合わせた素材を選びましょう。使い捨て手袋は、大きく分けるとゴム製とプラスチック製があります。ゴム製は耐久性や伸縮性に優れているため、長時間の作業や細かい緻密な作業などを行うときに適しています。

また、プラスチック製の手袋はいくつか種類がありますが、それぞれ着脱がしやすいものや油や薬品に強いものなど特徴が異なるため、清掃や食品加工・盛り付け、軽作業など目的に合わせて選ぶとよいでしょう。

正しいサイズを選ぶ

正しいサイズを選ぶことも、効果的に使い捨て手袋を使うためには重要です。たとえば、サイズが大きすぎると作業中に外れてしまう可能性があるだけではなく、隙間からの感染や汚染のリスクも高まります。

手袋が小さすぎる場合は、着脱がしにくいうえに、引っ張ったときに破損や穴あきにつながることもあります。

使い捨て手袋のサイズはXS、S、M、Lなど、さまざまな大きさが揃っているため、使用者の手の大きさに合わせていくつか用意しておくとよいでしょう。

また、使い捨て手袋には、「全長」「手の甲(手のひら)の幅」「中指の長さ」の表記もあります。購入前に、自分の手の大きさを測れば、よりフィットした手袋を選べるでしょう。

サンプルがある場合は、事前に取り寄せて実際に装着してみることをおすすめします。ハッピーハンズでは、すべてのグローブのサンプルを用意いたしております。お気軽にお問合せください。

適量な容量の手袋を選ぶ

使い捨て手袋は、経年によって劣化します。そのため、大量にストックしておくと、品質が損なわれる可能性があります。毎日、どのくらいの枚数の使い捨て手袋を消費しているのかを確認し、適量をストックするようにしましょう。

使い捨て手袋の着脱方法

使い捨て手袋を効果的に使うためには、正しい着脱方法も覚えておく必要があります。急いでいるときや忙しいときでも、手袋の取り扱いには十分に注意を払って着脱しましょう。

手袋を付けるとき

  1. 最初に手洗いと消毒を行う
  2. 手袋の手首の部分を掴んで片方の手にはめる
  3. 反対の手も同じようにして手袋をはめる

手袋を外すとき

  1. 片方の手袋の袖口を掴んで手袋を裏表逆さになるようにして外す
  2. 外した手袋をもう片方の手で握る
  3. 手袋を外した方の手の指を反対の手袋の袖口に差し込んで裏表逆さになるように外す
  4. 手袋をすぐに破棄してから手洗いと消毒を行う

使い捨て手袋の効果を最大限活かすために正しい使い方を

使い捨て手袋は、作業者と周りの人や製品などを汚染や感染のリスクから守るために使うものです。1回ごとの取り替えが基本で、使い回しや長時間の使用は、衛生の観点からも避けましょう。

効果的に使うために適したサイズを選び、正しい着脱方法で使用してください。また、経年で劣化するので、大量に使い捨て手袋をストックするのはやめましょう。開封した手袋も、直射日光を避け、ほこりや汚れが入らないようにして、早めに使い切ってください。

グローブの商品一覧はこちら

【グローブの商品一覧】をご確認いただく方へ

グローブ商品一覧の上部にて「ラテックス」「ニトリル」など商品を絞って調べられるリンクがありますので、ぜひご活用ください。

また、サイト内ではグローブの1ページ目の写真にて素材の記載があります。写真左上に四角いアイコンで「ラテックス(紫のアイコン)」「ニトリル(グリーンのアイコン)」と表記しておりますのでご参考になさってください。