ニトリルグローブとは汎用性の高い使い捨て手袋!特徴を徹底解説

ニトリルグローブとは汎用性の高い使い捨て手袋!特徴を徹底解説

新型コロナウイルスをきっかけに衛生意識が高まる中、使い捨てグローブの需要が増加しており、特にニトリルグローブが注目されています。

ニトリルグローブと他の使い捨てグローブとで何が違うのか、疑問に思う方も多いでしょう。本記事では、ニトリルグローブがどのような手袋なのか特徴を詳しく解説していきます。

ニトリルグローブとは?

ニトリルグローブは、医療や食品業界をはじめ、さまざまな現場で使用される使い捨て手袋の一つです。「合成ゴム」または「人工ゴム」を素材とし、耐久性や耐薬品性に優れているため、幅広い用途で活躍しています。

また、ラテックスアレルギーの心配がない点も大きな魅力です。ここでは、ニトリルグローブの基本的な特徴やメリットについて詳しく解説します。

ニトリルグローブの素材

ニトリルグローブは、ニトリルゴム(NBR:Nitrile Butadiene Rubber)と呼ばれる「合成ゴム」または「人工ゴム」を主原料として製造される使い捨てグローブです。

ニトリルゴムは、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合によって合成され、天然ゴム(ラテックス)とは異なり、植物由来ではない化学合成ポリマーです。

ニトリルグローブの製造に関して

ニトリルグローブは、国内生産はほとんど行われておらず、主に東南アジアや中国などから輸入されています。

生産方法は、浸漬成形と呼ばれるディッピング方式で作られており、原材料などの液体に手型を浸漬し、乾燥・浸漬・乾燥を何度も繰り返して作られています。

ニトリルグローブはラテックスアレルギーが無い

ニトリル手袋は、ラテックスアレルギーを気にせず使える点が大きな特徴です。ラテックスアレルギーとは、ラテックス手袋の原料である天然ゴム、つまりラテックスに対する過敏反応のことです。

天然ゴム中に含まれるラテックスタンパク質が原因となり、ラテックスレルギーを発症すると、蕁麻疹(じんましん)や皮膚のかゆみ、炎症などの症状が出ることがあります。さらに、重症化すれば呼吸困難や意識障害、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性も否定できませんので、注意が必要です。

一方、ニトリル手袋は人工ゴムである「ニトリルゴム」や石油系の合成ゴムを原料としているため、アレルギーの心配がないことから、ラテックスアレルギーの方でも安心して着用できます。

ニトリルグローブの特徴

ニトリルグローブは耐久性が高いだけでなく、耐薬品性や耐突刺性があるなどいくつかの特徴があります。ここでは、ニトリルグローブの特徴について詳しく解説していきます。

ニトリルグローブの耐久性

すぐ破れるような使い捨て手袋を使えば、途中で何度も交換しなければならず、破れた部分から細菌が入ったり、器具で手を傷つけるリスクも高まります。

ニトリルグローブは耐久性が高く、摩擦や長時間の使用にも強いため、さまざまな業界で採用されています。頑丈なニトリルグローブなら、ハードな作業中も手をしっかり保護してくれるので、余計な心配をせずに作業に集中できます。

ニトリルグローブの伸縮性

最近のニトリルグローブはよく伸びて柔らかく、指先の細かい動きにも自然に対応します。

医療現場や食品業界などでは、衛生や安全を守りながら、細かい作業にも支障が出ないような手袋が必要です。ニトリルグローブは手にしっかりとフィットし、指先の感覚をほとんど損なわないので、いろいろな場面で使いやすいといえます。

ニトリルグローブの耐薬品性

ニトリルグローブは薬品に強く、薬剤を用いる検査や診療が頻繁な歯科医院や病院などの医療現場でも安心して使えます。

食品業界では消毒液の使用が不可欠ですが、その環境にも適しており、衛生管理を重視する作業で頼りになります。また、強力な洗剤にも耐えられるため、清掃業界でも重宝されます。

ニトリルグローブの耐突刺性

ニトリルグローブは突き刺しに対する強さも備えており、破れにくいのが大きなメリットです。  細い先端を持つ器具や機材を扱う作業では、耐突刺性が低い手袋だと、ほんの軽い接触でも破れてしまうことがあります。

使い捨て手袋は小さな穴が開いただけでも本来の役割を果たせなくなるため、すぐに新しいものと交換しなければなりません。しかし、耐突刺性の高いニトリルグローブなら、手指へのダメージを気にせず作業に打ち込めます。

ニトリルグローブの耐油脂性

ニトリルグローブには油にも強いという特長があります。食品を加工する際や、機械に油を差すような作業に適しているため、ニトリルグローブはさまざまな業界で使われ続けています。

ニトリルグローブのパウダーについて

ニトリルグローブには「パウダー入り」と「パウダーフリー」の2種類があり、それぞれ特徴があります。パウダー入りは、手袋の内側にトウモロコシデンプンの粉末が付いており、着脱がスムーズで湿った手でも扱いやすいのが利点です。

ただし、粉が飛散して作業環境を汚す可能性があったり、トウモロコシデンプンの粉が原因で、手の痒みや皮膚の乾燥を引き起こす場合もあります。また、厚生労働省ではパウダー入りの手袋のリスクを考え、2016年からパウダーフリーの手袋を推奨するようになり、ハッピーハンズでも2016年よりパウダーフリーの手袋のみ販売しています。

一方、パウダーフリーは粉の代わりに塩素処理やポリマー加工などを施して滑りを良くしており、衛生管理が求められる現場に最適です。パウダーが付着しないため、製品や環境を汚さず安心して使えます。用途や環境に応じて適切なタイプを選ぶことで、快適で効率的な作業が可能になります。

ニトリルグローブの色について

ニトリルグローブには白やピンク、紫といった色がありますが、食品業界では青色のグローブがよく使われています。食品には青色のものがほとんどないため、作業中に手袋が混入しても目立ちやすく、すぐに取り除けるからです。

医療現場では、血液や体液が付いているかを確認しやすい白色が使われることもあります。手袋の色は、用途や施設ごとのニーズに応じて選ばれています。

ニトリルグローブはサイズ選びが大切

作業に適したニトリルグローブを選ぶには、自分の手のサイズに合ったものを選ぶことが大切です。サイズが小さすぎると手が圧迫されて着脱がしにくくなり、長時間の使用で疲労を感じる原因になります。一方で、サイズが大きすぎるとグローブが脱げやすくなり、作業効率が低下する可能性があります。

使い捨て手袋のサイズは、XS、S、M、Lなどさまざまな展開があり、用途や手の大きさに応じて選ぶことができます。また、手袋を選ぶ際には「全長」「手の甲(手のひら)の幅」「中指の長さ」の3つのポイントを基準に、自分の手の大きさを測ってから購入しましょう。

ハッピーハンズではすべてのグローブのサンプルを用意いたしております。お気軽にお問合せください。

ニトリルグローブ以外の使い捨てグローブ

使い捨てグローブはニトリルグローブ以外にも、ラテックスグローブや塩化ビニルグローブなど、いくつか種類があります。ここでは、ニトリルグローブ以外の使い捨てグローブについて、それぞれ特徴や用途などを詳しく解説します。

ラテックスグローブの特徴

ラテックスグローブは、柔らかく伸びが良いので手にしっかりフィットし、細かい作業に向いています。食品工場や病院、研究室などでよく使われていますが、油や薬品には弱く、耐久性が低い場合があります。

また、天然ゴムが原料のため、ラテックスアレルギーを引き起こすことがあります。このアレルギーは、ゴム製品に残るタンパク質が原因で、手袋を装着した直後にかゆみや赤み、蕁麻疹といった症状が現れることがあります。ラテックスグローブを使用する際は、アレルギーのリスクを理解しておくことが大切です。

塩化ビニルグローブの特徴

PVC(塩化ビニル)製のプラスチックグローブは、耐油性や耐薬品性に優れ、ポリエチレングローブよりも強度や伸縮性が高いため、幅広い用途で使用されています。ただし、食品衛生法により、食品の調理や加工には使用が禁止されています。

これは、可塑剤(かそざい)として使用される「フタル酸エステル」が食品に付着し、それを摂取すると人体に悪影響を及ぼす可能性があるためです。一方で、食品衛生法に適合した製品もあり、これらはフタル酸エステルを使用していないことが条件とされています。

ポリエチレングローブの特徴

ポリエチレングローブは、油性と耐薬品性に優れているため、食品衛生法に適合した商品が多く、飲食店や食品工場で広く使用されています。ただし、強度や伸縮性が低いため、細かい作業にはあまり適していません。

多くの製品にはエンボス加工が施されており、内側エンボスはグローブの着脱をスムーズにし、外側エンボスは滑り止め効果を発揮します。

使い捨てグローブの着脱方法

使い捨てグローブは、グローブの手首の部分を掴んで着用します。作業終わりやグローブの交換時は、以下の手順で外しましょう。

  1. グローブの外側を引っ張り、グローブが手や腕に触れないように外す
  2. 外したグローブをもう片方の手で握る
  3. グローブを外している方の手で、外側の汚れた部分に触れないように注意しながら、もう片方のグローブの内側を持ち上げる
  4. 汚れた側が内側にくるようにしてグローブを外す

使用後のグローブは汚染されている可能性があるので、素手で触らないようにして適切に処理してください。

使用環境に適したニトリルグローブを選び作業効率を高めよう

ニトリルグローブは、合成ゴムまたは人工ゴムを素材とした使い捨て手袋で、耐久性が高くラテックスアレルギーの心配がないため、医療や食品業界をはじめ幅広い分野で使用されています。

ニトリルグローブは、使用環境に適した種類や手のサイズに合ったものを選ぶことで、安全性と作業効率を高めることができます。本記事を参考に、ニトリルグローブの特徴を理解し、用途に合ったニトリルグローブを選んでください。

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