ニトリル手袋は、ラテックスアレルギーの心配がなく安全性が高い一方で、含まれる成分や使い方によっては手荒れの原因になることがあります。
本記事では、ニトリル手袋で手荒れが起こる主な原因と、手肌を守るための正しい手袋の選び方を解説します。手荒れの悩みを軽減し、快適に手袋を使いたい方はぜひ参考にしてください。
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著者紹介
歯科医院・病院用衛生用品を1つから購入できる通販サイト「HAPPY HANDS(ハッピーハンズ)」です。歯科医院などで使用される使い捨て手袋やマスク、その他の衛生用品をさまざま販売しています。
今回は、手袋で手荒れをする原因や、手肌の悩みを減らすために知っておくべきニトリルグローブの選び方について紹介します。
ニトリル手袋とは?
ニトリル手袋とは、「合成ゴム」または「人工ゴム」を原料とした使い捨て手袋で、以下のような特徴があります。
- 伸縮性が高い
- 耐久性が高い
- 耐薬品性がある
- 耐油脂性がある
- 耐突刺性に優れている
また、ニトリル手袋はラテックスアレルギーの心配がないため、様々な業種で採用されています。
ニトリル手袋で手荒れする8つの原因
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ラテックスアレルギーの心配がなく、安全性の高さに定評があるニトリル手袋ですが、含まれる成分や肌質によっては手荒れを引き起こす可能性があります。ここでは、ニトリル手袋で手荒れする8つの原因について、それぞれ詳しく解説していきます。
パウダーが刺激になっている
人によっては、ニトリル手袋のパウダーが手荒れの原因となることがあります。パウダーの主成分であるコーンスターチは、手袋を着脱しやすくするために使用されますが、皮膚の水分を吸収しやすく乾燥を引き起こします。
また、パウダーが肌に付着した状態で摩擦が起こると、炎症やかゆみを誘発する場合もあります。さらに、手汗とパウダーが混ざることで雑菌が繁殖し、皮膚のバリア機能が低下する可能性も指摘されています。
加硫促進剤でアレルギー反応を起こしている
加硫促進剤は、ニトリル手袋やラテックス手袋の製造に使われる成分で、手袋の伸縮性を高めるために重要な役割を果たします。しかし、加硫促進剤自体にアレルギー反応を起こすケースや、製品化過程で使用される化学物質の組み合わせによって肌トラブルが生じる場合があります。
特に、チラウム系、ジチオカルバメート系、チアゾール系といった成分が含まれていることが多く、これらが原因でかぶれや炎症などのトラブルを引き起こす可能性があります。ハッピーハンズでは、加硫促進剤不使用の手袋もご用意しております。
熱安定剤が刺激になっている
ニトリル手袋をはじめとする使い捨て手袋には、熱安定剤が使用されています。熱安定剤は酸化防止剤の一種で、製品の耐熱性や性能を向上させる役割があります。
しかし、一部の人では熱安定剤が手湿疹の原因となる場合があります。手湿疹はかゆみや痛みを伴い、日常生活に不快感をもたらすこともあります。手袋使用中や使用後に手のかゆみや赤み、湿疹が見られる場合は、熱安定剤が原因かもしれません。
可塑剤で接触アレルギー性皮膚炎を起こしている
可塑剤は、プラスチックを柔らかく加工しやすくするために使われる添加物で、ポリ塩化ビニル製品や使い捨てゴム手袋にもよく使用されています。しかし、一部の人では可塑剤が接触アレルギー性皮膚炎(IV型)の原因となることがあります。
ニトリル手袋を使用して手がかゆくなる場合、可塑剤が含まれている可能性があるので、製品情報を確認してみましょう。ただし、アレルギーの原因を特定するのは難しいため、症状が続く場合は早めに医療機関を受診し専門的な診断を受けることをおすすめします。
肌が乾燥している
肌の乾燥はかゆみを引き起こす要因の1つです。乾燥により肌のバリア機能が低下すると、外部刺激に敏感になり、ヒスタミンというかゆみ物質が放出されます。
特に空気が乾燥しやすい季節は、手元の乾燥が原因でかゆみが発生する可能性が高まります。ニトリル手袋を使って手荒れや痒みが生じた際は、手元が乾燥していないか確認してください。
見た目に異常がなくても肌内部の水分が不足していることがあるため、かゆみが続く場合は、保湿クリームやハンドケア用品を使用して積極的に保湿ケアを行いましょう。
手袋の装着で皮膚が圧迫されている
ニトリル手袋が皮膚を圧迫したり肌が擦れたりすると、肌へのダメージや炎症、不快感が生じることがあります。装着時に圧迫感があったりスムーズに装着できない場合は、手袋のサイズが合っていない可能性を疑いましょう。
適切なサイズを選ぶことで、肌への負担を軽減し快適に作業が行えます。ただし、サイズが大きすぎると手袋が手にしっかりフィットせず、作業効率が低下することもあります。快適さと機能性のバランスを考えたサイズ選びが重要です。
ハッピーハンズではすべてのグローブのサンプルをご用意いたしております。自分の手にフィットする手袋をお探しの方は、お気軽にお問合せください。
手袋の装着で肌が蒸れている
ニトリル手袋の装着中は、手袋の中が蒸れやすい状態になっています。肌が蒸れると、ヒスタミンが放出される可能性があり、汗に含まれる塩分やアンモニアが刺激となってかゆみが生じることもあります。
手袋装着中の蒸れが気になる時は、手袋をこまめに交換したり、装着前に手の水分を拭いて乾燥させるなどの対策をとりましょう。
手荒れしないためのニトリル手袋の選び方
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手荒れを防ぐためには、自分の手のサイズや肌質に合ったニトリル手袋を選ぶことが重要です。ここでは、手荒れしないためのニトリル手袋の選び方について解説していきます。
パウダーフリーのニトリル手袋を選ぶ
敏感肌の方や手荒れをしやすい方には、パウダーフリーの手袋がおすすめです。パウダーフリーの手袋は、肌に優しく快適に使用できるだけでなく、パウダーによるアレルギーリスクも軽減できます。
ちなみに内側にパウダーを付着させた手袋は、パウダーに含まれる成分が人体に有害であることがわかったため、2016年から厚生労働省はパウダーフリーを推奨するようになりました。ハッピーハンズでは、2016年のこの発表以降、パウダーフリーの手袋のみを販売しています。
手袋を選ぶ際には「パウダーフリー」と明記された製品を確認し、肌への負担を最小限に抑えましょう。
加硫促進剤フリーのニトリル手袋を選ぶ
ニトリル手袋装着時のアレルギー性接触皮膚炎(IV型アレルギー)は、多くの場合、加硫促進剤が原因とされています。このリスクに対応するため、多くの使い捨てラテックスやニトリル手袋メーカーが、加硫促進剤不使用の手袋を製造しています。
加硫促進剤フリーのニトリル手袋を選ぶときには、「低アレルギー性」や「アレルギー患者に適している」と書かれたものではなく、「加硫促進剤不使用」と書かれたものを選びましょう。
ハッピーハンズでは、加硫促進剤不使用の手袋もご用意しております。お気軽にお問合せください。
自分の手のサイズに合ったニトリル手袋を選ぶ
手荒れを防ぐためには、自分の手のサイズに合ったニトリル手袋を選びましょう。サイズが大きすぎる手袋を選んでしまうと、隙間から水分や薬品が侵入します。また、小さすぎる手袋は皮膚を圧迫し、手荒れの原因となるため注意が必要です。
ニトリル手袋のサイズは、XSからLと幅広く揃っています。最適なサイズを選ぶためには、手の甲幅や指の長さなどを測り、それに合った製品を選ぶことが大切です。購入前にサンプルをお試しすることを推奨します。
ラテックス手袋はラテックスアレルギーに要注意!
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特に、じんましんは最も一般的な症状で、ラテックス手袋を装着した部分にかゆみや発赤、膨疹、水疱が現れることがあります。これらの症状が全身に広がる場合、重篤なアナフィラキシーショックに至ることもあります。
また、ラテックスアレルギー患者の30〜50%は、バナナ、アボカド、キウイフルーツ、クリなどの植物性食品に対してアレルギー反応を示す「ラテックス−フルーツ症候群」と呼ばれる状態を併発することがあります。さらに、手袋パウダーに付着したラテックスを吸入することで呼吸器症状が引き起こされる場合もあります。
ラテックスアレルギーになりやすい人の特徴
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ラテックスアレルギーは、天然ゴムとの接触頻度が高い人やアレルギー反応を起こしやすい体質を持つ人に生じやすい傾向があります。ここでは、ラテックスアレルギーのハイリスクグループとされる人の特徴について解説します。
医療従事者
過去には、手袋や医療用具に天然ゴム製品が広く使用されていたため、医療従事者の発症リスクが高いとされていました。近年は、ラテックスフリーやパウダーフリーの製品が普及し、発症率は減少していますが、依然として注意が必要です。
アトピー体質の人
アレルギー反応が生じやすいアトピー性皮膚炎の患者は、ラテックスアレルギーのリスクが高い傾向があります。また、バナナ、アボカド、キウイフルーツなどの植物性食品との交差反応性があり、これらの食物アレルギーを持つ人も注意が必要です。
医療対応を繰り返し受けている人
生後間もなくから繰り返し手術を受けるなど、天然ゴム製品と頻繁に接触する患者もリスクが高い傾向があります。ただし、ラテックスフリー製品の普及により、発症率は低下しています。
これらの特徴を持つ人は、ラテックスアレルギーの心配がないニトリル手袋を利用しましょう。
手袋による手荒れを防ぐためにも原因や選ぶ基準を覚えておこう
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ニトリル手袋での手荒れは、パウダーや加硫促進剤、サイズの不適合など、さまざまな原因が考えられます。しかし、パウダーフリーや加硫促進剤不使用の製品など、自分の肌質に適した手袋を選ぶことで、手荒れのリスクを大幅に減らせます。
ニトリル手袋で手荒れにお悩みの方は、本記事を参考にニトリル手袋を選び直してみましょう。