ゴム手袋を使って手がかゆくなった経験はありませんか?その症状は、ラテックスやニトリルなどの素材に含まれる添加物によるアレルギー反応かもしれません。特に加硫促進剤やパウダーは皮膚刺激の原因になることが多く、敏感肌やアレルギー体質の方は注意が必要です。
本記事では、ゴム手袋によるアレルギーの症状や原因、対策方法を詳しく解説します。手袋の着用による肌トラブルに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

著者紹介
歯科医院・病院用衛生用品を1つから購入できる通販サイト「HAPPY HANDS(ハッピーハンズ)」です。歯科医院などで使用される使い捨て手袋やマスク、その他の衛生用品をさまざま販売しています。
今回はニトリル手袋で手がかゆくなる原因や対策方法について解説します。
ニトリル手袋とは?

ニトリルの素材は、合成ゴム、または人工ゴムを指します。薬品や油に強い性質を持っており、使い捨て手袋の素材としても多く起用されています。基本的な耐久性にも優れているほか、突き刺しにも強い性質を持っているため、歯科医院などの医療機関でも活躍している使い捨て手袋です。
ラテックスアレルギーの方でも使用できる使い捨て手袋としても知られているので、幅広いユーザーが使用しています。
ラテックス手袋(天然ゴム手袋)との違い
ラテックス手袋とニトリル手袋は、見た目や使用感が似ていますが素材がまったく異なります。ラテックス手袋は、天然ゴムで作られており、柔らかく手にフィットしやすいので、使い心地も安定しています。ただし、ラテックスアレルギーがある方は、ラテックス手袋(天然ゴム手袋)の使用に注意が必要です。アレルギー症状が不安な方は、アレルギーが出にくい素材の手袋を選びましょう。
ゴム手袋で起こるアレルギー症状を知っておこう
ゴム手袋を使用したあとに「手がかゆい」「赤みが出る」「湿疹ができる」といった症状が現れる場合、それはアレルギー反応である可能性があります。
特にラテックス(天然ゴム)や加硫促進剤、パウダーなどの成分が原因となるケースが多く、接触性皮膚炎や即時型アレルギーといった症状を引き起こすことがあります。
よく見られる症状例
- 手の甲や指のかゆみ・赤み
- 水ぶくれ・ひび割れ・皮膚のただれ
- 手首や腕への発疹・湿疹
- 目のかゆみ・くしゃみ・呼吸がしづらい(重度のアレルギー反応)
これらの症状は、使い捨てゴム手袋を装着した数分後〜数時間後に発症することがあり、症状の強さや部位は個人差があります。特にアレルギー体質の方や敏感肌の方は注意が必要です。
また、軽い症状でも繰り返しの刺激によって悪化することがあるため、原因となる成分や素材を把握し、肌に合った手袋を選ぶことがアレルギー対策の第一歩となります。
ゴム手袋のアレルギーの原因(ラテックス・ニトリル)
使い捨てゴム手袋には大きく分けて「ラテックス(天然ゴム)製」と「ニトリル(合成ゴム)製」の2種類があり、それぞれアレルギーを引き起こす要因が異なります。
ラテックス手袋のアレルギー原因
ラテックス手袋は、天然ゴムに含まれるたんぱく質がアレルゲンとなり、即時型アレルギー(I型アレルギー)を引き起こすことがあります。症状としては、かゆみ・蕁麻疹・目のかゆみ・喉の違和感・呼吸困難などが見られることもあり、重度の場合にはアナフィラキシーショックに至る危険性もあります。
特に医療従事者や介護職など、日常的にラテックス手袋を使用している人に多く見られる傾向があります。
ニトリル手袋のアレルギー原因
一方で、ニトリル手袋はラテックスフリーの合成ゴム素材のため、ラテックスアレルギーの方でも安心して使える素材とされています。
ただし、ニトリル手袋にも注意点があります。加硫促進剤(アクセラレーター)や可塑剤、パウダーなどの添加物が原因で、遅延型アレルギー(IV型アレルギー/接触性皮膚炎)を引き起こすケースがあります。アレルギー性接触皮膚炎と刺激性接触皮膚炎の違いは、自己判断するのは難しい傾向にあります。自己判断で使用を継続せず、きちんと医療機関に相談してからニトリル手袋を使用してください。
症状はかゆみ・赤み・湿疹・乾燥・ひび割れなどが多く、繰り返しの使用によって悪化することも。症状を未然に防ぐには、使用している手袋の素材と含まれる成分を把握することが重要です。
最近では「加硫促進剤不使用・パウダーフリー」のニトリル手袋も登場しており、より肌にやさしい選択肢が増えています。
ニトリル手袋の加工成分がかゆみの原因の場合も

先ほども少し触れましたが、ニトリル手袋の使用により肌トラブルが起こるのは、商品を加工する際に使われている成分が原因かもしれません。特に肌のかゆみの要因となり得る成分を3つ紹介します。
ニトリル手袋を使用して肌がかゆくなる方は、以下の成分が含まれているか事前にチェックしておきましょう。
加硫促進剤
加硫促進剤は、手袋の伸縮性を保つために使われている成分です。加硫促進剤はニトリル手袋やラテックス手袋を作る際に使われている成分で、化学反応を利用して効率的に使い捨て手袋を生産しています。
単に加硫促進剤そのものにアレルギー反応を起こす場合もあれば、製品化する際に使われている化学物質の組み合わせによりアレルギー反応を起こす場合もあります。
また、加硫促進剤にはチラウム系やジチオカルバメート系、チアゾール系と呼ばれる物質が含まれているケースが多いため、もしかすると加硫促進剤に使われている成分が肌トラブルを引き起こしている可能性もあるので留意しましょう。
ハッピーハンズでは、加硫促進剤不使用の手袋もご用意しております。
可塑剤
可塑剤は、酸とアルコールで合成される物質の1つです。主にプラスチックを柔らかくし、加工をしやすくするために可塑剤が使われています。ポリ塩化ビニル製品によく使われている添加物なので、身の回りの製品にも可塑剤はよく使われている成分と覚えておきましょう。
使い捨てゴム手袋にも可塑剤が使われているケースも少なくなく、人によっては接触アレルギー性皮膚炎 (IV 型)の原因となっている場合があります。ニトリル手袋を使うと手がかゆくなってしまう方は、可塑剤が含まれているか製品情報をチェックしましょう。
ただし、可塑剤がアレルギーの原因と個人で断定するのは難しいので、きちんと医療機関で調べてもらいましょう。
熱安定剤
ニトリル手袋をはじめとした使い捨て手袋には、熱安定剤が使われています。熱安定剤とは、高温でも耐えられるように製品を加工するために使われる酸化防止剤です。製品の耐熱性や性能を高めるために様々なアイテムに熱安定剤が使われています。
ニトリル手袋にも熱安定剤が使われていますが、手湿疹の原因となる場合があるので注意しましょう。湿疹ができるとかゆみや痛みなどの不快感を伴う場合があります。手にかゆみを感じる方は、湿疹ができていないか、皮膚が赤くなっていないかをよく観察してください。
必ずしも熱安定剤が肌トラブルの原因とは限りませんが、可能性の1つとして頭に入れておきましょう。
ニトリル手袋でかゆみが発症したら医療機関へ受診

使い捨てゴム手袋の使用により手のかゆみが発症しても、必ずしもニトリル手袋が原因になっているとは限りません。ほかの病気や何らかの要因が肌トラブルにつながっている可能性もあるので、自己判断はせず、きちんと医療機関を受診しましょう。
しかしながら、ニトリル手袋がかゆみの原因となっている可能性も否めません。かゆみの症状が出た場合は、念のためニトリル手袋の使用を控えてください。医療機関を受診する際は、使用しているニトリル手袋や製品情報がわかるものを持参すると良いかもしれません。
ニトリル手袋以外で考えられるかゆみの原因

ニトリル手袋のほかにも手がかゆくなる原因はあります。使い捨て手袋の使用後にかゆみの症状に悩まされている方は、以下の要因に当てはまっていないか確認してみましょう。
肌の乾燥
肌の乾燥はかゆみの要因の1つです。肌が乾燥すると肌のバリア機能が低下し、外部からの刺激に敏感になります。肌が刺激を受けるとヒスタミンと呼ばれるかゆみ物質が放出されるため、かゆみをはじめとする不快感を伴います。
空気が乾燥しやすい季節は肌も乾燥しやすい傾向にあるので、手元の乾燥がかゆみの原因になっている可能性も考えられます。
まずは、手元が乾燥していないか肌をチェックしてみましょう。見た目には乾燥の症状がわからなくても、肌内部では水分が足りていない可能性もあります。かゆみの症状に悩んでいる方は、意識的に保湿ケアをしましょう。
肌の蒸れ
肌の蒸れは乾燥肌の要因です。蒸れも肌のバリア機能が低下する要因となり、あらゆる刺激に肌が敏感になってしまいます。かゆみ物質のヒスタミンが放出される可能性があるほか、汗に含まれる塩分やアンモニアが肌を刺激してかゆみの症状を引き起こしているのかもしれません。
ニトリル手袋は肌にフィットした状態で使用するため、手袋の中で肌が蒸れてしまうこともあります。ニトリル手袋の使用後に手が蒸れていないか確認してみましょう。
蒸れが気になる場合は、こまめにニトリル手袋を交換して手を乾かしてみたり、手に付着した水分を拭ったりしながら工夫をしてみてください。
ニトリル手袋による皮膚への圧迫
ニトリル手袋が皮膚を圧迫して、肌がダメージを受けている可能性もあります。皮膚が圧迫ダメージを受けると肌が擦れ、かゆみの症状が起こる場合があるので注意が必要です。
ニトリル手袋の装着がスムーズにできない方や、使用中に圧迫感がある方はサイズが合っていないのかもしれません。ニトリル手袋はきちんと手に合ったサイズを選び、肌を圧迫しないように意識しましょう。
ただし、サイズが大きすぎるニトリル手袋は手元の作業が困難になる場合があります。作業効率を高めるためには、フィット感にも注力してニトリル手袋を選んでください。
ハッピーハンズではすべてのグローブのサンプルを用意いたしております。自分の手にフィットする手袋をお探しの方は、お気軽にお問合せください。
アレルギー反応を防ぐための対策

ニトリル手袋の使用によりアレルギー反応に近い症状が現れている方は、ひとまず使用を控えてください。特に歯科医院などで常にニトリル手袋を装着している方は、アレルギーを発症しやすい状態にあるので注意が必要です。
化学物質のほか、ニトリル手袋に付着したパウダーがアレルギーや肌トラブルを引き起こしている場合もあります。あらゆる原因を排除したい方は、パウダーの付いていない加硫促進剤不使用のものやポリマー加工を施した使い捨て手袋を使用してみるのも1つの手です。
ニトリル手袋の製品性質上、製造工程で化学物質の使用は避けられません。化学物質によるアレルギーや肌トラブルが考えられる方は、やはり医師の診断を受け、かゆみをはじめとする不快な症状を悪化させないことが大切です。
常に手を清潔に保つなどして、症状の悪化を防ぎながら早めに医療機関を受診してください。
よくある質問
Q1. ゴム手袋の長時間使用で手が荒れるのはなぜですか?
A.手袋の中が蒸れて汗がこもった状態が続くと、皮膚のバリア機能が低下し、手荒れやかゆみの原因になります。また、使用しているゴム手袋に含まれるパウダーや可塑剤、残留薬品が皮膚刺激となる場合もあります。
パウダーフリーで肌あたりのやさしいニトリル手袋を選ぶことで、手荒れのリスクを軽減できます。
Q2. アレルギーが心配な場合、どのような手袋を選べばよいですか?
まずはご自身のアレルギー源を専門医にかかる事で特定します。その上で「ラテックスフリー(非天然ゴム)」「加硫促進剤不使用」「パウダーフリー」などのポイントから手袋を選ぶことをお薦めします。ニトリル製の手袋でもアレルギー症状が出る場合があるため、成分表示を確認することが重要です。
Q3. ゴム手袋でのアレルギーは手以外にも影響しますか?
A.はい。手以外にも目のかゆみ・鼻水・喉の違和感など、アレルギー性の症状が出ることがあります。これは、ラテックス由来のたんぱく質が空気中に拡散され、吸入経路からアレルゲンが体内に入ることが原因です。
重度の場合、呼吸困難やアナフィラキシーといった全身症状に発展する恐れがあるため、使用環境と症状に注意が必要です。
ニトリル手袋で手がかゆい方は肌ケアにも注力しましょう

ニトリル手袋は、ラテックスアレルギーをお持ちの方でも使用できる使い捨て手袋として知られています。しかし、ニトリル手袋にも様々な化学物質が使われているので、人によってはかゆみを伴うアレルギー症状を引き起こす場合があるので注意しましょう。
また、かゆみの原因はアレルギーだけとは限りません。肌の乾燥や蒸れ、皮膚の圧迫もかゆみの要因となるので、ニトリル手袋の使用方法を見直すことも大切です。
かゆみの原因となる要素を1つでも減らすために、肌ケアにも取り組みながら不快感を軽減しましょう。
グローブ商品一覧の上部にて「ラテックス」「ニトリル」など商品を絞って調べられるリンクがありますので、ぜひご活用ください。
また、サイト内ではグローブの1ページ目の写真にて素材の記載があります。写真左上に四角いアイコンで「ラテックス(紫のアイコン)」「ニトリル(グリーンのアイコン)」と表記しておりますのでご参考になさってください。




