破れにくい使い捨てゴム手袋ってあるの?ニトリルとラテックスの違いも解説

破れにくい使い捨てゴム手袋ってあるの?ニトリルとラテックスの違いも解説

使い捨て手袋は、医療や介護、美容業界、 工場、研究室など、さまざまな分野で使われています。使い捨て手袋の種類はいろいろあり、それぞれ特徴が異なりますが、安全に使用するためにも、破れにくい使い捨てのゴム手袋が求められるケースは多いです。

本記事では、破れにくい使い捨てゴム手袋の種類や、ニトリル手袋とラテックス手袋の違い、手袋を破れにくく使うためのポイントなどについて詳しく解説します。

耐久性のある使い捨て手袋とは

使い捨て手袋は、本来頻繁に取り替えて使用するために作られているため、薄手のものがほとんどです。しかし、長時間の作業や先端が鋭い器具を使用する作業、温度の高低差がある環境下での使用など、使い方や使用環境によっては使い捨て手袋にも一定の耐久性が必要です。

使い捨て手袋には、ゴム製やプラスチック製などがありますが、破れにくいという点ではゴム製の手袋が優れています。

【プラスチック製の使い捨て手袋】
ポリエチレン:穴あきや破れに弱い
ポリ塩化ビニル:劣化しにくいが破損には弱い

【ゴム製の使い捨て手袋】
ラテックス:柔軟性に優れ、耐久性もある
ニトリル:突き刺しにも強く、耐薬品性もある

ニトリル手袋とラテックス手袋の違い

ニトリル手袋もラテックス手袋もゴム手袋で、耐久性に優れています。しかし、それ以外にもそれぞれメリット・デメリットがあるので、詳しく解説します。

ニトリル手袋とは

ニトリル手袋は、ニトリルゴム(NBR:Nitrile Butadiene Rubber)という合成ゴムまたは人工ゴムを原料に使用した使い捨て手袋です。ブタジエンとアクリロニトリルの共重合によって合成された、化学合成ポリマーです。

ニトリル手袋は国内ではほとんど生産されておらず、主に東南アジアや中国などで製造されたものが輸入されています。

ニトリル手袋のメリット

ニトリル手袋は耐久性が高いだけでなく、次のようなメリットがあります。

  • 耐薬品性、耐油脂性がある
  • 耐突刺性がある
  • ラテックスアレルギーの心配がない

ニトリル手袋は耐薬品性、耐油脂性、耐突刺性が優れています。さらに、ラテックスに触れたときに起こるラテックスアレルギーの心配もありません。

ニトリル手袋にはこれらの特徴があるので、薬品や先端の鋭い器具を使った作業の多い医療や歯科の現場、油を取り扱う食品業界、工場、研究室、美容業界などさまざまな分野で活用されています。

ニトリル手袋のデメリット

ニトリル手袋のデメリットは、以下になります。

  • 手袋に含まれている加硫促進剤によって皮膚炎になる可能性がある

ニトリル手袋の中には、製造過程で加硫促進剤を使用したものがあります。加硫促進剤とは、手袋の伸縮性を保つために使われる成分なのですが、人によってはこの加硫促進剤に反応して皮膚過敏症やアレルギー性接触皮膚炎、刺激性皮膚炎などの症状が起こることがあります。

ハッピーハンズでは、加硫促進剤不使用のニトリル手袋も販売しています。お気軽にご相談ください。

ラテックス手袋とは

ラテックス手袋は、天然ゴムのラテックスを原料に作られた使い捨て手袋です。ゴムの木から取れる乳液や界面活性剤で乳化させたモノマーを重合して得られる液体を使います。ゴムのコロイド状水分散物がラテックスです。

ラテックスの樹液はとても貴重なもので、同じ木からは3日に1度の割合でしか樹液ができません。さらに1本のゴムの木からは、ラテックス手袋2枚分しか作れません。

ラテックス手袋のメリット

ラテックス手袋もニトリル手袋と同様に、丈夫で破れにくい使い捨て手袋です。また、それ以外にも、以下のようなメリットがあります。

  • 伸縮性がある
  • 柔軟性があり、温度変化の影響を受けにくい
  • 摩擦に強く強度が高い

ラテックス手袋は、伸縮性に優れているため、指先の感覚をしっかり保ちながら手を動かせます。また、温度変化の影響を受けにくいという特徴があり、低温の環境下でもゴムが固くならずに柔らかい感触を保てます。

さらに強度も高いので、長時間の作業にも適している点もメリットといえるでしょう。

ラテックス手袋のデメリット

ラテックス手袋のデメリットは、以下になります。

  • 薬品や油に対する耐性が低い
  • ラテックスアレルギーのリスクがある

ラテックス手袋は、ニトリル手袋ほど薬品や油への耐性が高くありません。特にガソリンや灯油、有機溶剤などはラテックス手袋に浸透するため注意が必要です。

また、人によってはラテックスアレルギー反応が起こる可能性があります。ラテックスアレルギーとは、ラテックス手袋の原料の天然ゴムに含まれるラテックスタンパク質に反応して起こる症状で、皮膚のかゆみや蕁麻疹、炎症などが現れます。

重症化した場合は、アナフィラキシーショックの症状も注意しなくてはなりません。

破れにくいゴム手袋を使うために注意すべき点

使い捨て手袋を使う理由は、作業者を感染や汚染から守り、衛生的に製品を作ったりサービスを提供したりするためです。耐久性の低い手袋を使うと、手袋に穴あきや破損、破れなどが頻繁に起こり、その度に手袋を取り替えなければいけません。

また、破れていることに気づかずに使い捨て手袋を使用し続けた場合、作業者だけではなく周りにも感染や汚染を広めてしまう可能性もあります。

強度の高い使い捨て手袋を選ぶのはもちろんですが、ほかにも使い捨て手袋を破れにくく使うポイントをお伝えします。

正しいサイズを選ぶ

作業者の手の大きさにあった使い捨てゴム手袋を選ぶことは、破れにくく使う大きなポイントです。たとえば、小さいサイズの手袋を使った場合、装着する時点で破けてしまったり、穴あきや破損したりする可能性があります。

手袋が装着できたとしても、ゴムが伸び切ってしまうため破れやすくなるでしょう。また、小さいサイズのゴム手袋をしていると、手が疲れたり動かしにくく正確な作業がしづらいなどの不具合も出ます。

大きいサイズの手袋の場合、破れにくいかもしれませんが、隙間から細菌や雑菌が入りやすくなるため、感染のリスクが高まります。また、作業性にも影響が出るでしょう。ぴったりのサイズを選ぶことは、非常に重要です。

適量の在庫をストックする

ゴム手袋も、経年劣化します。あまり古くなった手袋を使うと、装着する時点で破れてしまうこともあるため、大量に在庫を抱えるのは安全性の観点からもやめましょう。

セールなどで安くなっているからと必要以上の使い捨てゴム手袋を仕入れても、時間が経ってしまい古くて使えなくなってしまっては意味がありません。毎日、使い捨て手袋をどの程度消費しているのか枚数を確認し、適量の在庫を持つようにしましょう。

再利用はしない

衛生面からいっても、一度使った使い捨てゴム手袋は破棄して、次の作業や患者さんなどと接する際には、新しい使い捨て手袋を装着するのが基本です。

コストを抑えるために、手袋のうえから手指を消毒して再利用するのはやめましょう。使い捨て手袋は、消毒剤に接触することで素材が劣化し、破損しやすくなります。また、手袋の上から手洗いや消毒剤で衛生管理を行っても、微生物を除去できない可能性もあります。

手洗いや消毒剤のすり込みで劣化していき、ピンホールや破れが起こりやすくなります。ニトリル手袋でみると、アルコールをベースとした消毒剤へ接触する回数が増えるほど引っ張る力が弱くなり破損しやすくなることが分かっています。

消毒の回数が10回程度までは、引張性はJIS規格の許容値内ですが、それ以上になると安全性を確保しづらくなるので、再利用は絶対に避けましょう。

参照:一般社団法人職業感染制御研究会

破れにくい使い捨てゴム手袋の選び方

破れにくい使い捨てゴム手袋を選ぶときに、チェックしたい点を紹介します。作業が終わるまで破れない耐久性のある手袋を使うことで、安全にかつ、コストも抑えられるでしょう。

耐久性の高い手袋を選ぶ

耐久性の高い手袋は、当然破れにくいため、長時間の作業や摩擦などにも耐えられます。ニトリル手袋もラテックス手袋も耐久性は高いので、多くの業界や現場で使われています。

引っ張りに強い手袋なら、装着時に破れることも少なくなるでしょう。それぞれの耐久性を理解した上で、選ぶことが重要です。

用途に合う機能を持つ手袋を選ぶ

用途にあった機能のある使い捨てゴム手袋を選びましょう。たとえば、ニトリル手袋は突刺や薬剤、油に対する耐性が高い点が大きな特徴です。検査や手術などを行う医療機関や食品加工、盛り付け、工場、美容業界、研究室などで使用するならニトリル手袋が適しているといえます。

また、ラテックス手袋は、耐久性と柔軟性に優れています。指先の感覚までしっかり使いたい緻密な作業などに使用するならラテックス手袋を選ぶのがおすすめです。使用目的や用途に合わせて、必要な機能のあるものを選んでください。

ちょうどいいサイズの手袋を選ぶ

自分の手に合うサイズの手袋を選びましょう。使い捨てゴム手袋のサイズは、XS、S、M、Lなどと種類が豊富です。作業者の手に合うサイズを選んでください。

また、使い捨てゴム手袋にはサイズの表記以外に「全長」「手の甲(手の平)」「中指の長さ」も記されています。自分の手の大きさを測って、もっとも近いサイズを選んでもよいでしょう。

手袋の長さも目的に合わせて選びましょう。手をどこまで保護したいかによって、手袋の長さを選べます。一般的な手首のところまである24cmのものから、29cmのロングタイプなら肘までをカバーできます。

さらに、厚みも目的によって選ぶべきです。ハッピーハンズのカタログでは、Mサイズを基準に1枚の厚みを「厚手」「レギュラータイプ」「薄手」の3段階に分けて表記しています。また、指先の厚さも数値で記載しているので参考にしてください。

作業者それぞれに合う手袋を選ぶ際は、可能であれば購入前に実際に装着してみるのがおすすめです。ハッピーハンズでは、すべての手袋のサンプルを用意しており、24cmから肘まで覆う長さの29cmまでをご用意しております。お気軽にお問合せください。

使い捨てゴム手袋を正しく装着すればより破れにくい

使い捨て手袋は、正しく着脱しましょう。間違ったやり方では破れやすくなります。付けるときと外すときの正しい方法を紹介します。

使い捨てゴム手袋を付けるとき

  1. 最初に手洗いと消毒をする
  2. 手袋の手首の部分を掴んで片方の手にはめる
  3. 反対の手も同様にしてはめる

使い捨てゴム手袋を外すとき

  1. 片方の手袋の袖口を掴んで手袋を裏表逆さになるようにして外す
  2. 外した手袋をもう片方の手で持つ
  3. 手袋を外した方の手の指を反対の手袋の袖口に差し込み裏表逆さになるように外す
  4. 手袋を捨ててから手洗いと消毒を行う

適切な選び方と着脱法を知って破れにくい使い捨てゴム手袋を使おう

使い捨てゴム手袋は、使い捨てという特性のため、一定の時間使用したり負荷をかけたりすると破れやすくなります。また、経年で劣化するものなので、古くなると未使用のものでも耐久性は落ちることを覚えておきましょう。

破れにくい使い捨てゴム手袋を探すときは、用途に合わせて使い捨てゴム手袋の機能を選んで、最適なサイズの手袋を使うことが大切です。今回紹介した選び方も合わせて参考にしてみてください。

グローブの商品一覧はこちら

【グローブの商品一覧】をご確認いただく方へ

グローブ商品一覧の上部にて「ラテックス」「ニトリル」など商品を絞って調べられるリンクがありますので、ぜひご活用ください。

また、サイト内ではグローブの1ページ目の写真にて素材の記載があります。写真左上に四角いアイコンで「ラテックス(紫のアイコン)」「ニトリル(グリーンのアイコン)」と表記しておりますのでご参考になさってください。