滅菌使い捨て手袋で衛生管理を徹底!医療・デンタル現場向けガイド

滅菌使い捨て手袋で衛生管理を徹底!医療・デンタル現場向けガイド

医療や歯科の現場では、感染予防が何よりも重要です。その中でも、滅菌使い捨て手袋は無菌操作を徹底し、患者の安全を守るための欠かせないアイテムです。

本記事では、滅菌使い捨て手袋の使用場面や開封・装着方法、さらには交換タイミングなど、衛生管理を徹底するためのポイントを詳しく解説します。正しい使用法を理解することで、感染リスクを最小限に抑え、医療現場の安全性を向上させることができます。

滅菌使い捨て手袋を使う場面

滅菌使い捨て手袋は、無菌操作が必要な場面で用いられます。無菌操作とは、滅菌された物品に微生物が付着しないよう、滅菌状態を保ちつつ物品を取り扱う技術を指します。

この技術は、身体への病原体の侵入を遮断し、感染を予防する目的で行われます。滅菌使い捨て手袋を使うべき具体的な場面は以下の通りです。

  • 縫合および創傷処置
  • 手術
  • 出産
  • 注射および気管吸引
  • カテーテル挿入
  • 骨髄穿刺および腰椎穿刺

これらの場面では、滅菌状態を維持することが求められ、感染予防のために滅菌手袋の着用が必須です。滅菌手袋を着用することで、病原体の侵入を遮断し、患者の安全を確保できます。

一方、非滅菌手袋は、血液や体液との接触から手を保護する目的で使用されます。例えば、検査で検体を採取する場合のように、無菌操作が不要な場面で使用されます。非滅菌手袋は滅菌処理が行われていないため、主に防護を目的とした使用に適しています。

滅菌手袋の材質

手術や検査・検診に使われる使い捨て滅菌手袋の材質には、天然ゴム製のラテックスを使用したラテックス手袋や、人工ゴムまたは合成ゴム製のニトリル手袋などがあります。

ここでは、ラテックス手袋とニトリル手袋のそれぞれの滅菌手袋について解説します。

ラテックス手袋

ラテックス手袋は高い伸縮性と柔軟性を備えており、温度変化の影響を受けにくい特長があります。手指に密着して装着できるので、手術や歯科診療などの細かい作業をする場面でも装着による疲れが軽減可能なゴム手袋です。

加えて、グリップ力が高く滑りにくいため、安全性が求められる作業にも適しており、滑らかな加工が施されたタイプも選ぶことが可能です。

注意点としては、天然ラテックスゴムを使用しているため、ラテックスアレルギーをお持ちの方は使用を控えましょう。

ニトリル手袋

ニトリル手袋は、優れた強度を持ち、引っ張りや突き刺しに対する耐性が高いのが特徴です。また、薬品や洗剤などにも強いため、医療やデンタルクリニックなどの現場で広く使用されています。

さらに、ラテックスアレルギーの心配がないため、ラテックスアレルギーがある方でも安心して使用できるのが利点です。

注意として、パウダーありのニトリル手袋に使用されているトウモロコシデンプンの粉が原因で肌にかゆみや皮膚の乾燥などの肌トラブルを引き起こすこともあります。このパウダーありの使い捨て手袋による皮膚へのリスクを考え、厚生労働省はパウダーフリーの手袋の使用を推奨しています。ハッピーハンスでは、この発表以降パウダーフリーの手袋のみを販売しています。

滅菌手袋の開封方法

滅菌手袋を開封する際は、無菌状態を保つための注意が必要です。まず、滅菌手袋を使用する前に、爪を短く整え、手を洗って清潔な環境を確保します。

開封の際には、有効期限が切れていないか、包装に破損や汚染がないかを確認します。その後、包装紙の端を持ち、滅菌手袋の外装が汚染されないよう注意しながら丁寧に取り出します。

取り出した後は、包装紙の折り返し部分を持ってゆっくり広げ、左右の手袋の配置を確認します。包装紙を広げる際には、再び折りたたむと汚染のリスクが高まるため、しっかりと展開した状態を維持することが大切です。

滅菌手袋の装着前に行う衛生的手洗いの重要性

滅菌手袋を着用する前に衛生的手洗いを行うのは、手袋が汚染される可能性を防ぐためです。また、使用後の手袋には、ビニール手袋で4.1%、ラテックス手袋で2.7%に、目視できるピンホールが確認されたとの報告があります。(1)

衛生的手洗いをしていない場合、このピンホールから病原微生物が通過し、汚染のリスクが高まる可能性があります。この重要性をしっかりと把握し、必ず手袋装着前に正しい手洗いを行うようにしましょう。

適切な手洗いの方法

まず、流水で手全体をぬらして汚れを流します。その後、薬用石けんや消毒液を適量取り、泡立てて手洗いを開始します。両手のひらをこすり合わせて洗浄し、次に片方の手のひらで反対側の手の甲を包むようにしてこすり洗いを行い、両手を同様に洗います。

指を交差させて指の間をしっかり洗い、さらに指先と爪の周辺を念入りに洗浄します。続けて、反対側の手で親指を握り、ねじるようにして親指を洗い、最後に手首までこすり洗いをします。

石けんの泡は流水で十分に洗い流し、ペーパータオルや清潔なタオルで水分をしっかり拭き取ります。この手順を丁寧に行うことで、病原体を効果的に除去し、感染のリスクを最小限に抑えることが可能です。

滅菌手袋の装着方法

まず、手袋の折り返し部分を利き手で持ち、利き手ではない方の手に装着します。このとき、手袋の内側に触れないよう注意しながら指をしっかりと入れます。

片方の手袋を装着した後、手袋を装着した手で反対側の手袋の折り返し部分を持ち、同様に装着します。装着後は、両手を合わせて手袋全体を密着させ、フィットさせます。

手袋を装着した後は、無菌状態を維持するために手袋の外側を清潔な領域内でのみ触れるようにし、汚染を防ぐ行動が求められます。

滅菌手袋の外し方

まず、片方の手袋の外側を利き手の指先でつまみ、内側に裏返すようにしながら外します。この際、手袋の外側に直接触れないよう細心の注意を払います。

外した手袋は、外側が内側に収まる形で丸めます。次に、もう片方の手袋を外す際は、すでに外した手袋を持っている手の内側部分を使い、手袋の内側に触れながら裏返して外します。こうすることで、外した手袋の汚染部分が内側に収まり、周囲を汚さずに廃棄が可能となります。

手袋を外した後も感染予防のために必ず手を洗い、清潔にしておきましょう。

滅菌手袋の交換タイミング・目安

滅菌手袋は、基本的に患者ごとに交換することが求められます。同じ患者でも、汚染された部位から清潔な部位へ移動する場合や、手袋が汚染された場合には交換が必要です。また、手袋が破損したりバリア機能が低下した場合も直ちに交換します。

長時間の手術ではピンホール発生のリスクが高まるため注意が必要です。90分以下の手術で15.4%、90~150分の手術では18.1%の手袋にピンホールが確認されており、90分ごとの交換が推奨されています。

さらに、2~4時間以上の手術では全員の一斉交換が望ましいとされています。3時間を超える手術では、ピンホールの発生を前提に適宜交換を行う必要があります。(2)

汚染や破損の確認時、または長時間の使用に応じた適切な交換が、無菌状態を保つ上で非常に重要です。

滅菌手袋を適切に使い安全と衛生面を徹底しよう

本記事では、滅菌手袋の使用場面や種類、適切な開封・装着方法、交換タイミングなどを詳しく解説しました。

滅菌使い捨て手袋は、医療現場における感染予防の要となるアイテムです。無菌操作が必要な場面での正しい使用は、患者の安全を守るだけでなく、医療従事者自身の感染リスクをも軽減します。

手袋を使用する際には、無菌状態を維持する意識を常に持ち、用途に応じた選択と正しい管理を徹底することが重要です。滅菌使い捨て手袋を適切に活用することで、安全で衛生的な医療環境を実現しましょう。

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また、サイト内ではグローブの1ページ目の写真にて素材の記載があります。写真左上に四角いアイコンで「ラテックス(紫のアイコン)」「ニトリル(グリーンのアイコン)」と表記しておりますのでご参考になさってください。